私は、現在妊娠5ヶ月の33歳、都内在住の女性です。このたび、3年に及ぶ不妊治療を経て体外受精で子どもを授かることができました。
今や、出生児の16〜17人に1人は体外受精で生まれた子であるほど不妊治療が一般化していますが、まだまだその治療の過程は公に口にしづらい社会状況があります。私の経験は、1サンプルですが、ここまで来るまでに経験したさまざまな治療や、その過程で感じた気持ちをシェアすることで、誰かの選択の一助になったらいいなと思い、このブログを始めることにしました。
まず初回の記事では、私が24歳の頃に初めて受けた婦人科検診で診断された「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)」についてご紹介します。診断されたときには、まさかこの病気が不妊の原因になるとは思ってもみませんでした。
「多嚢胞性卵巣症候群」とは?
通常の月経周期では、排卵に向けて数十個の卵胞が育ち始めますが、⼗分に成長して排卵されるのは1個のみです。他の卵胞は途中で成長が⽌まり、やがて小さくなっていきます。
ところが、この多嚢胞性卵巣症候群は卵胞の成⻑が途中で止まり、たくさんの⼩さな卵胞が卵巣内にとどまってしまいます。
卵胞が育たず定期的に排卵が起きないため、⽉経周期に異常(無月経、希発月経)が出て、不妊の原因にもなります。そのほか以下のような症状が現れると言われています。
「多嚢胞性卵巣症候群」の症状一例
- 月経不順、または無月経
- 不正性器出血(月経以外の出血をさします)
- 不妊
- 多毛
- にきび、ふきでもの
- 肥満
私は、主に「1」「3」「4」に該当し、BMI的には痩せ型となっていますが、痩せにくい体型でもあります。
多嚢胞性卵巣症候群の人の卵胞が育たない理由としては、卵巣内の男性ホルモンが多いことが原因といわれています。
思えば、生理が始まったころから1ヶ月半くらいに1回の周期が普通で、2ヶ月〜3ヶ月来ないこともよくありました。そのころは楽だしいいか、くらいに思ってましたが、実はこの影には病気が潜んでいたのです。
「多嚢胞性卵巣症候群」の診断方法
以下の3つの条件が、当てはまると多嚢胞性卵巣症候群と診断されます。
多嚢胞性卵巣症候群の診断基準
- ⽉経周期の異常がみられる
- 超⾳波検査で卵巣内に発育していない卵胞がたくさんみられる
- 血液検査で男性ホルモンや黄体化ホルモン(排卵をうながすホルモン)が高値になる
この病気は、成人女性の20〜30人に1人いると言われていて、そこまで珍しいものではありません。生理周期が長いかもと思う方は、まず産婦人科で超⾳波検査と、血液検査をしてみることをおすすめします。
「多嚢胞性卵巣症候群」でも妊娠できた
多嚢胞性卵巣症候群が不妊原因であることを知った時は、とても辛い気持ちになりましたが、2年3ヶ月の様々な治療を経て、多嚢胞性卵巣症候群でも子を授かることができました。
なぜ多嚢胞卵巣症候群になるのか、明確には解明されていないようですが、「遺伝的な糖代謝異常」や「卵巣皮膜が体質的に厚く排卵しづらいこと」「肥満」「やせすぎ」などが原因として推測されています。そのため、多嚢胞性卵巣症候群は、病気というよりも「先天的な体質のひとつ」と考えられているようで、完治を目指す治療ではなく、上手につきあいながら妊娠を目指す治療でした。
2年3ヶ月という不妊治療期間中に、具体的にどのような治療をしてきたか、今後のブログでまとめていきます。